今年2月、1泊2日でソップモエアーツの工房を訪ねる旅に、ボランティア2名+ボランティアのお子さん(小6)とボランティアの友人1名で行ってまいりました。今回2回に分けてこちらに掲載したいと思います。

1日目、早朝の便でチェンマイに到着。
メーホンソン県、メーサリアン郊外の織物センターまでは、チェンマイから南西に280Km。空港から磯村さん運転で4時間の山道を走ります。道路は舗装されていますが急坂でカーブミラーがない道を行かなければなりません。途中対向車に気をつけながらゆっくり走る大型ダンプカーを追越しながら走ります。
遠くには山々が見えるはずでしたが、山焼きの影響か、せっかくの山々は薄っすらとしか見えません。12月・1月頃であれば綺麗な山系が見れたようです。でも近くの山々や畑の風景は日本の田舎を思い出させ、気候は日本の新緑の頃と同じに感じました。
途中、チェンマイから1時間半ほどの所にある『パー・ダー・コットン・テキスタイル博物館』を見学。
通称ダーおばさんが祖母の影響を受け、伝統的な薬草による綿布の草木染めや織物を始めた場所。
竹林の道を抜けると、広大な敷地内にチーク材を使用した高床式の建物が数軒並び、
建物二階はダーおばさんの足跡をたどった博物館になっていて様々な物が展示されていました。


ここで織られる綿布は木綿とは思えない柔らかな風合いと独特のパステル調の色合いが特徴でピンクとグリーンはここだけのもののようです。
ここでも北タイに残る手仕事の素晴らしさを知りましたが、コロナ禍以降再開が難しいらしく残念。
途中、ランチ購入と休憩の為停車し、
また山に向かって車は走り出しました。
山道のアップダウンを繰り返しながら2時間走った所でメーサリアンの町に入り、
いよいよメーサリアン郊外のソップモエアーツ織物センターに到着。
もともと織り子さん達が暮らしていた場所メトラ村は現在の織物センターからは2時間位車で行った秘境になり、通う事が大変で皆さん現在の織物センター近くに移転し織物を継続。


織物センターは、屋根と床だけの建屋に織物機が8台並ぶ工房。現在6機稼働中。
機織り機は足踏み式で木材と竹で組み立て作られた物。
女性達は自分達で作ったカレンブラウスに巻きスカートを着て出迎えてくれました。それぞれ色・デザインが異なり個性的なブラウスは皆さんによく似合っていました。
訪ねた日に織り物をしていたのは女性4名。男性1名。
織物センターには平日は他の仕事をし休日にセンターで織る人もいます。
旗織機は織るデザイン(柄)によって決められ、模様を出すための竹棒がパターンの順に並びセットしてあります。

旗に縦糸を掛ける作業には2人がかりで1週間。この作業が出来るのはリーダーの
Lergiご夫婦のみ。
何百本もある縦糸を結びつける作業はとても大変な作業です。
織物に使用する糸を購入するのは製品の均一化のためでもあります。
染めてもらう場合ロットは70m。
糸1束で1~1.5m織れます。
絹糸、ヴィスコースを購入する店はそれぞれ決まっています。
糸を杼(ひ)に巻き付ける作業にも1つに1日かかります。
織物を作る際は全て一度サンプルを作りチェックして取りかかります。
今日の皆さんの作業風景は、
男性は5月のプロモーション予定のケリムコレクションに使用する布を織り、
女性達は、
ベトナミーズを絹糸で織る人、
現在販売中のさくら色ティーマット用を織る人、
オレンジ色の壁掛けを織る人、
藍色の壁掛けを織る人。


皆さんテンポ良く織り上げていきますが、
ピンと張られた縦糸に足を強く踏む動作や、横糸を通す際の片手で模様の糸を押す作業は両手両足を使っての重労働になります。
正面にある模様替えのための束になった糸を順番に入れ替えたり、自分の近くには色を変えるための糸を置き糸を付け替えながら、段数を数えながらの作業は、
暑い中集中力も必要になり、気の遠くなるような作業だという事を実際に見て良く知ることが出来ました。
織物センター見学後は陽が落ちる前にミャンマー国境の川に向かいました。
織物センターから国境の川までは車で1時間30分。 途中山間の小さな村を通ると、そこで暮らす子供達やその土地の人達の暮らしも見ることができ、
この辺りの屋根は葉っぱを葺いた『葉っぱ葺』も初めて見て興味深いものがありました。

ミャンマーとの国境の川にはミャンマーとタイを行きす舟があり、タイ対岸には生活雑貨や食料品のお店がありミャンマーから買い物に来るようです。こうした風景を見られたのも良かったです。

この日は、メーサリアンのRiver House Hotelに宿泊。ホテルの前には川が流れ、こじんまりとした雰囲気のいいホテル。ロビーにはソップモエアーツの壁掛けが飾られ、各部屋にはソップモエアーツのWhite&Blackのクッションやランナーが使われていてホテルの雰囲気によくあっていました。
夕飯はホテルの近くのお店で食べました。


第二回に続きます。